陸亀と水生亀では基本的な飼育環境がまるで異なります。水生亀では、当然種類にもよりますが水槽の水位を加減して甲羅干し出来るスペースと紫外線を発する照明は不可避な種類。ほとんど水中から出ない種類、しかしそれに共通するのは水質の汚染を進行させない工夫です。
肉食性で有るが故に排泄物は飼育水を激しく汚染します。汚染の意味は水質を酸性に傾けて粘膜を痛める事です。手取り早く換水が簡単に出来れば汚染も食い止める事が出来ますが、飼育スペースの関係で手間がかかる事も多いと思います。そうなれば濾過システムの構築しか有りません。濾過システムは2系統がお勧め。外部濾過の水槽上部にセットするタイプと水槽の横置きするタイプ。これを片方づつメンテナンスします。投げ込み式はエアーレーションを兼ねていると思い込みますが、掃除機の逆で空気中のホコリ、カビの胞子、硝化細菌の芽胞を水槽に送り込んでいます。硝化細菌は文字通りアンモニアを硝酸化合物の亜硝酸に置換します。その結果として飼育水は酸性度が強まり飼育個体の粘膜を損傷してしまいます。何より換水が1番なのですが排泄後直ぐに換水出来る時間を取れる訳ではありません。飼育水の水質維持ならバクテリアのB-4がお勧めです。アンモニアを亜硝酸に置換せずに何より閉鎖循環水系で微生物による食物連鎖を再現出来ます。水質は弱アルカリ性を維持出来ます(永久はあり得ない)飼育水の透明度は確かに換水の目安にはなりますが、それでも定期的な換水は必要です。
亀の飼育ではカルシウム不足は水生、陸生を問わず深刻な問題を引き起こします。経験的に申し上げますと、生きた金魚やメダカを与えるより鶏肉の砂肝などはお勧めです。これにネクトンレップやMSAを振りかけて食べさせると成長障害は発生しにくくなるようです。