ぱぴえ図書館
【鳥と化学物質の話】
米国の女性作家のレイチェル・カーソンの代表作『沈黙の春』邦題がある。
題名からもわかるように鳥の歌声が春になっても聞こえてこない状況をテーマにしている。
当時の彼女は政府の職員であり、新しく登場してきた化学物質のDDTなる殺虫剤に係るにはリスクがあったらしい。DDTは農業の発展に欠かせない殺虫剤と考えられていて、マラリアを運ぶ蚊にも効果は絶大であり、マラリア撲滅の為に国連まで乗り出して大量に散布されていた。
屋外で野鳥の死骸が目につくようになったのはそれからしばらくしてからだった。
大量に死んだツグミの死骸を調べると大量のDDTが検出され、原因はDDTが疑われた。
しかし、散布直後ではなく少し時間を経過してから死骸が見つかるのは謎であり、製造している化学メーカーからは疑問と反論が。いわく原因は他にありDDTが原因というならば散布から時間が経過しすぎている事に説明がつかないと言うものであった。
レイチェルの仮説は、散布された木の葉にDDTは付着する。秋になって葉が地上に落ちるとそれを土中のミミズが食べて腐葉土に分解していく。その過程の中でミミズはDDTを体内に蓄積し、そのミミズを鳥が捕食する。そしてDDTは体内に蓄積、濃縮され致死量に到達すると鳥は息絶える、食物連鎖による体内濃縮説であった。
ミミズを捕食する鳥以外の果実食の鳥はその影響は早く現れた。果実の表面に付着したDDTは雨に洗い流される事もなく、分解もせずに体内に蓄積していったと考えられた。
DDTの自然界に与える影響は人間にも及ぶのではないか?この疑問は拭い去る事は出来ずに不安は広がっていく。鳥の声が聞こえない春、レイチェルは世間に警鐘を鳴らすも化学メーカーの専門家達によってDDTのもたらす恩恵のアピールが始まる。果樹農園にとっては不可欠な、害虫から果実を守る切り札、マラリア撲滅の救世主などの声に押されていく。
この件は時の大統領ケネディにも伝えられる。ケネディは沈黙の春も読んだが結論は出なかった。実際にDDTの全面使用禁止になるのはニクソン大統領になって環境保護に声が上がり、新たに環境保護庁が設立され、最初に自動車の排ガスに規制がかかった。
研究者の間では深刻な問題が持ち上がっていた。米国の国鳥の白頭鷲の生息数が激減しており保護が叫ばれ研究者は原因究明に乗り出す。観察の結果は孵化率の驚くべき低下だった。
鳥類保護チームは原因の究明に乗り出す。白頭鷲の巣が上から見える位置に場所を取って双眼鏡で注意深く観察を続ける。卵を産むのは確認出来る、抱卵行動も特段に変化なし。しかし卵が孵化して雛が出てくる様子がない。産んだ卵の数が減っているのに気づいたチームは殻を採取して分析する。殻が薄い❗️直ぐに気づく程卵殻が薄くなっている。
行動観察から白頭鷲が捕食している魚や鳥に変化は無く特定の原因はなかなか突き止められないが、ペアが抱卵途中で殻の薄いのが原因で卵が割れてしまい孵化しない事は判明する。
DDTは既に使用が禁止されて時間も経過している。そこで捕食している魚を分解すると案の定高濃度にDDTが見つかる。自然界に散布されたDDTは構造が安定している為に分解に極めて時間がかかる。微生物、プランクトン、食物連鎖の下位から蓄積が始まり魚では濃度が高くなりそれを捕食している白頭鷲は食物連鎖の上位に位置する為影響が甚大になる。国家の象徴、国鳥の白頭鷲がDDTにより絶滅危惧の心配と言うニュースは米国民を驚かせるに充分であった。
湖などの水の循環が限られる環境では影響は長引くと考えられ、人間にも長期に影響が出る懸念があった。日本でも有機水銀による水俣病が大問題として世界に情報は駆け巡った。工場から排水された水は直接海中に流された。そこで食物連鎖により生物の体内に取り込まれ濃縮され、その魚を食べた人の体内に入り神経に重大な疾患をもたらす。人間が発症する前は水俣の漁村で飼育されていた猫に異変は起こった。神経が侵されて海に飛び込み溺死した猫が多数いたのだ。
工場の排水口近くに漁船を係留するとフジツボなどの生物が漁船に付着しないのも最初は不思議がられた。汚染は広く深く確実に自然を蝕んでいった。
化学物質は確かに人間の生活に役立ち貢献した。病原菌を殺して命を救ったのも化学物質が最初だった。しかし暴走する事もある、これを我々人間は知るべきだと思う。
【ネクトン、鳥類用サプリメント】
この鳥類用サプリメント(栄養補助食品)を販売する会社として、実際に社内でも小鳥を飼育してネクトンシリーズを与えて効果確認をしています。ネクトンに限らずパピエの商品は販売に責任を持つべく商品テストを繰り返して継続しています。
今回の報告は、飼育して6年の錦華鳥(キンカチョウ、オーストラリア原産)なのですが、ネクトンSを飲み水に溶かして与え、3年前から小松菜などの野菜を一切与えず飼育しています。
これはビタミンとミネラルをネクトンからのみ補給して問題なく飼育出来るかどうかの確認試験です。一般的な飼育方法としてはフィンチ類、インコ類(小型種)には青菜は飼育に欠かせず、特に繁殖中の雛の養育には必ず必要です。
そこで雄の単独飼育での実験では青菜無しでもネクトンSだけで問題なく飼育出来る、この事が確認されています。実際、飼育担当としては最初はヒヤヒヤでしたが毎日元気で囀っています。飼料は市販の殻付きと剥き餌の2種、ボレー粉無しの環境です。
今年は何故か猛暑の予感。
熱帯魚マニアにとって夏は換水には楽チンな季節だけど、水槽の温度上昇は厄介な事ばかり。
水温が30度を超えると水草はヘトヘトに。魚も危険水域に突入。ディスカスみたいに34度程度でもへっちゃらって種類もいるが大抵は危ない。
水温が上昇するとアンモニアが活性して水の溶存酸素は足りていてもエラから吸収した酸素を細胞に送るヘモグロビンがダウン。結果として酸欠状態となり命を落とす結果に。
これを防ぐにはクーラーで水温を低下させる、頻繁に換水する(それでもアンモニアは魚のエラから排出され続ける)、生物濾過を強化する、これしか方法がありません。
手っ取り早いのはB-4使って生物濾過を強化する、コレ1番簡単で安上がりです。
【ガートバード】
飼い鳥にとって厄介なものは羽ダニとか蚊です。野生の鳥達は羽ダニを落とす為に水浴びとか砂浴びをします。
飼い鳥でも砂浴びは厳しくても水浴びなら少し大きめの容器に水を入れてやれば可能です。
ただし大型、中型のインコ類では難しい。よく羽根全体を膨らませ全体を震わせたりするのは、
羽ダニが原因かも知れません。そんな時にこそガートバードはお役に立ちます。
化学物質不使用で完全自然の植物エキス。だから小鳥たちに安心して使用出来ます。飲み水に入っても安心。
夏に増える蚊にも有効。強力な忌避効果で吸血昆虫を寄せ付けません。安心、安全に鳥達をガートします。
【ネクトンシリーズ】
ゲージで飼育されている小鳥は、正に籠の鳥。自由に食べ物も選ぶ事も出来ません。
野生の鳥達は四季を通じて季節折々に食物を採取していますが飼育鳥は与えられた食物を食べるしかありません。
そこでは摂取出来るビタミンやミネラルも限られてきます。
それらを補って鳥達の日々の健康を維持し病気から守るのがネクトンです。
この栄養補助食品は、長い歴史を持ち多くの研究者の努力の結晶です。ネクトンのポリシーは、
『新しい科学的発見を積極的に取り入れる』『使用する原料は全て厳選された特級品質のみで構成される』、
これがドイツ人の頑固なまでのポリシーです。隠れた名品と呼ぶにふさわしい製品を是非お試しください。
【ミネラルとビタミン】
以前にオーストラリアに野生のインコ類の観察に出向いて驚いたのは、
セキセイインコの大群が赤く濁った水場に舞い降りて飲んだり水浴びをしていたのを観察しました。
飼育しているインコには決して与える事が出来ない水を飲んでいました。
この水を飲む事で多くのミネラルを補給していたと考えられます。同じように胡錦鳥は、
朝になるとお気に入りの樹に集まり葉についた水滴を飲んでいました。
水滴は大地から蒸発した水分が気温で結晶したもの、当然、多くのミネラル成分を含んでいると考えられ、
そしてその葉を食べた昆虫を捕食する事で循環を実現しているようです。
飼い鳥にはミネラル成分の補給は絶対です。そしてビタミンも同時に代謝には必要不可欠です。
それらの補給はネクトンで実現出来ます。
【水槽管理】
これから夏に向けて水槽内の水温がゆっくりと上昇していく季節になります。
水槽にクーラーを取り付けている間合いは水槽内の水温は上昇しませんが、室温は確実に上昇していきます。
クーラー→熱交換器ですから水温下げれば下げる程、水槽設置の空間温度は上がります。
だから部屋の室温下げる為にまたクーラーを使います。今年は電気代も高くちょっと心配。
【水温とアンモニア】
水温が上昇するとアンモニア粒子は活発に水槽内を動きます。
アンモニア粒子は小さい為に魚のエラやヒレを簡単に通り抜けて行きます。
この時に魚の血液中の酸素を細胞に送り届けるヘモグロビンに障害を発生させます。
魚を飼育している水槽内にアンモニアが発生するのは不可避❗️
何故❓それは魚の体内、エラ呼吸する度にアンモニアは排出され、魚のからだを包むタウリン、
あのヌルヌルした物質、アレはタンパク質なのでアンモニア発生の原料で飼育水にゆっくり溶け出して
バクテリアによりアンモニアに置換されます。
金魚すくいの金魚が夏場は口をぱくぱくと開けているのは酸欠状態、
水に酸素は溶けていてもエラから酸素原子を細胞に送れないから、
なんとか酸素を取り込もうとぱくぱくしているのです。
手っ取り早く解決するには換水して水温を下げる、これが一番です。
【アンモニアと生物濾過】
アンモニア濃度が上昇すると飼育している魚は生命の危険が生じます。
動きが緩慢になり水槽の底の方でうずくまります。
エラの開閉が早くなっていたら危険シグナル。その場合は換水が応急処置になります。
アンモニア濃度を下げる事です。しかし、そんな頻繁に換水するのは手間がかかります。
その為に生物濾過、バクテリアを使ってアンモニアを別の物質に置き換える事です。
よく硝化細菌って言葉を聴きますが、あれはアンモニアを亜硝酸に変換する細菌の事です。
ただし、亜硝酸に置換すると水は酸性に変化していきます。
弱酸性から更に低下するとタウリンが溶け出して悪循環になります。
もっとも硝化細菌は水道水に普通に多く含まれていますから特に水槽に入れる意味は無いと思います。
エアレーションすれば空気中から芽胞(カビの胞子みたいなもの)となって水槽に入ってきます。
ここで考えて下さい。硝化細菌を使った生物濾過って結局換水頻度を変える事は出来ない事を。
B-4はアンモニアを亜硝酸に置換しません。だから水質のph値は低下せずに逆に一時的に上昇します。
自然の水質は中性ph7、自然界の魚の生育する環境の多くはph7~7.4程度。
こうなると水槽内で自然界と同じ食物連鎖が始まります。
【生物濾過と食物連鎖】
食物連鎖とは、魚の排泄物や餌の食べ残しをバクテリアが分解し、更にそのバクテリアを捕食する生物、
後生生物群が濾過器に発生する事で、その頂点がミジンコです。
B-4を使うと水槽内でミジンコが発生するけどなんで❓って質問が来ますが
ミジンコの卵って普通に水道水に入ってます。
ミジンコは水質が悪くなると硬殻卵(こうかくらん)って卵を産みます。
そして生息地の水が枯れて風が吹くと砂埃と共に飛んで移動するのです。
だから浄水器を使わずに換水すると発生する確率が高くなるのです。
逆に言えばミジンコも発生していない水質なら魚の繁殖行動は期待出来ません。
だって生まれた子供達の食料がない環境だから。
ぱぴえ図書館の【ぱぴらぼ】では、実用的で有益な情報を皆様にお届けしています。ぜひご覧下さい。
はぴらぼ①
B-4マリン 使用方法・水槽実験
◆水槽立ち上げ 2008/5/7
1.90㎝×45㎝×45㎝水槽に人口海水を敷き詰める。メ-カ-の使用方法に従い投入量を決定。
2.水槽に水道水を入れ、水槽上部まで水を入れ、パッキングされた魚(コバルトスズメダイ)が入った袋を浮かせる。
3.子供の拳ぐらいの大きさのライブロックを投入。まだ完全に人口海水の塩が溶解していない。
4.エ-ハイムのエコフィルタ-の最上部のウ-ルマットにB-4マリンを約3分の1程度、振りかける。濾材はトノ-(樽型)セラミックをスポンジフィルタ-の上に敷き詰める。濾過器にセットして濾過スタ-ト。
5.海水の比重と水温を確認。まだ人口海水は、完全に溶解していない。これで生体を投入するが、今までの『常識』では絶対無理!
6.パッキングされた袋から生体を水槽に放す。右端の解けきっていない塩の上に集まりあまり動かない。
7.24時間経過した。1匹も落ちず、元気に水槽を泳いでいる。底に沈んでいるのは、フィルタ-から排出されたB-4マリン。
8.72時間後の写真。濾過器の排出パイプ付近に魚が集まり、盛んに何か補食している食物連鎖が始まったのだ。体の小さかった2匹死亡。
自然界では、毎日のように多くの命が失われ、新しく誕生している。現在、この水槽には、13匹の魚と2匹の甲殻類(キャメルシュリンプ)、2匹の貝が生命を保っている。ある朝、我々は魚の死骸らしきものを確認した。それは、3時間後には完全に形がなくなった。死んだ魚は、他の魚やエビ、貝に補食され生命の維持に役立った。そして、それは排泄物となって体外から放出され、バクテリアによって完全分解され、そして、バクテリアは食物連鎖の末に魚のエサとして濾過器の排水口より出てくる。現在、この水槽は立ち上げて1ヵ月が経過した。その間一度も換水もしなければ、ガラス面の掃除もしていない。この実験はまだまだ続く。最終的には、50匹の魚を投入する予定であり、もし飼育されている生物が死亡しても私達の手で水槽外に出すことはない。わずか90㎝の水槽で完全な自然界と同じ食物連鎖の輪が続いているのだから。
9.この間、換水無し!ベアタンクの底に溜まったゴミの吸い出しで2~3リットル抜き蒸発分、5~6リットル給水した程度。 現在の水温は、何と29度突破ながらキャメルシュリンプも元気に脱皮しています。
定期的にB-4マリンをパラパラと水面に振り掛けていますが、魚がたべてます。 しかし、明らかにエサが不足、流石に排水パイプから出てくるプランクトンでは、46匹の腹は賄えません。
仕方なく、ビ-シュリンプ用のエサ、G10をパラパラと水面に振りかけると、縁日の金魚すくいの金魚みたいに一斉に水面で口をパクパクして食べてます。
近々、フィッシュジャパンさんのご好意でルリスズメ50匹追加投入する予定です。しかし、簡単に淡水魚飼育キットレベルでB-4マリン使えば飼育できちゃうんです。業界人のA氏の話では、ゆっくりなら水温は、33度までなら何とか大丈夫?しかし、アンモニアが限りなく“0”なら少々水温が高くとも問題ありませんね。それとPhですけど、8以上維持しています。この辺がポイントです。
最終的には、90センチ水槽で外部濾過器1台のみの生物濾過で、ルリスズメを100匹飼育に挑戦します。某雑誌編集者は、《ベアタンクなのが凄い!》と感心していました。底床材を使用すると生物濾過は、もっと安定します。海水魚飼育で失敗の原因につながる事を書いておきます。
水槽の設置してある場所は、喫煙厳禁です。煙に含まれるニコチンは簡単に水に溶け込みます。毒性が強いので生体に必ず悪影響が出ます。
水槽は、出来る限り密閉する。エア-レ-ションは、止めた方が無難です。水槽にホコリ、チリ、カビの胞子、バクテリアの芽胞なんぞが入ると厄介です。閉鎖循環水槽では、水質が全てです。
海水を家庭で排水する場合は、必ず水道水を出して排水する事です。あるいは、海水を排水したらしばらく水を流して下さい。排水管は、ほとんど材質が鉄です。サビます。特にマンションなんか気をつけてください。まさか、一般家庭から海水を捨てているなんて誰も想像しないでしょう。
経過その2 2008/08/20
現在、正確に生体をカウントすると94匹です。シュリンプ2匹、清掃係の貝2個で、タンクの生物は98となりました。水温は、午前中28度前後で午後2~3時で29度突破します。会社がビルの中なので、輻射熱で部屋全体の温度が上昇しています。家庭用のエアコン2台使用していますが、室温は30度以上あり、扇風機で冷気を拡散していますが、パソコンの熱も侮れません。しかし、まったく魚体に変化なく、シュリンプも脱皮しています。一応、水温を下げるためのク-ラ-は待機していますけど、室温が上昇するのでペットボトルを凍らせ、それで午後から水温下げてます。2度は低下可能。維持不可。
《実験から判明した事実》
このホ-ムペ-ジを見て、何人かの人から連絡を受けました。この実験の意味と意図するところは、最初にB-4マリンの効果を再確認する事。この生物濾過バクテリアを使用すれば、もっと簡単に海水魚飼育が可能になります。海水魚飼育の最大のネックは、《換水》だと考えます。人工海水を造る手間とコスト、これが長期間換水しなくとも可能なら誰でも手軽に海水魚の飼育が楽しめます。実験水槽は、現在、2ヵ月以上経過してペ-ハ-の低下もアンモニアの上昇も発生していません。
実験協力
フィッシュジャパン
パウパウアクアガ-
はぴらぼ②
ぱぴらぼ ソイルK-6の使用・セッティング解説
◆ソイルK-6の使用、セッティング解説 1.水草の育成のポイントは、その種類によって底床材を使い分ける事がポイントになります。 極端に申し上げれば、ソイルでないと生育がむつかしい種類もあるからです。
2.ソイルとは、簡単に説明すると”土”です。しかし、そのまま土を底床材として使用するのは困難です。ドロ状に変化して”根腐れ”(根に酸素を含んだ水が届かない)状態となり生育不良となります。そのために”粒状”に加工したものです。材料は、土以外の砂なども配合し、熱加工して簡単にドロ状に変化しないようにしてあります。K-6の特徴は、耐久性能にあります。簡単にくずれないように加工してあります。
3.写真1のようにソイルを水槽に敷き詰めます。この水槽では、約6キロ使用しています。ソイルを水槽に敷き詰めると、その上から新聞紙で覆います。ホ-スの先端に濾過用のスポンジなどをつけて、最初は、ゆっくりと滲ませるように水を入れていきます。
4.水槽に水が約半分程度入ったら、一度給水を止め、新聞紙を取出します。そして、水面に浮遊しているものをネットですくい取ります。
5.そして再び新しい新聞紙で水面を覆って給水していきます。
6.水槽に必要なだけ水を入れたら新聞紙を取出します。
7.この段階で水草を植え込んだり、魚を入れるのは無理です。ソイルはゆっくりと水圧を受けて必要以上の栄養分を放出しはじめます。12時間もすれば、生きものを入れなくともアンモニア濃度は上昇していきます。濾過器を回しても濾過が追い付きません。換水が一番の対処方法です。
8.換水を3~4回してから水草を設置していきます。今回は、流木に植え込んだアヌビアス・ナナを入れています。
9.水草をセットしてからの換水の後の給水は、水面にプチプチマットを利用するのが一番です。ホ-スなどで水を流し込むと水流が発生して底床のソイルが巻き上がります。
10.ソイルが必要以上の栄養分を放出したらアンモニア濃度も低下します。パイロットフィッシュを入れるか、試薬で確認して下さい。アンモニアは、よほど濃度が高い数値を示さない限り水草には影響しませんが、生物は確実に影響を受けます。水温が高ければ高いほどアンモニアは活性します。濾過をスタ-トさせ生物濾過で処理するか、アンモニア濃度が高ければ換水するのが一番の対処方法です。K-6は、鉄分などのミネラルを多く含んでいます。植物は、鉄分がなければ葉緑素が生産できません。しかし『過ぎたるは及ばざるがごとし』で過剰な栄養分は、コケなどの発生につながります。水槽をセットした初期の段階では、早いサイクルで換水する事をお薦めします。
番外編 おまけデス。給水する場合は、水の溢れには皆様も十分お気をつけてくださいね。今回の実験水槽立ち上げで水をあふれさせ、事務スタッフの皆さんにカンカンに叱られました。トホホ…
ぱぴらぼ③
ぱぴらぼ インペリアル ゼブラ プレコ 繁殖
◆インペリアル ゼブラ プレコ 繁殖データ採集中
1.インペリアル ゼブラ プレコ
現在、この種類は、現地のブラジルで採取も移送も禁止されている希少種。
水槽内で繁殖記録は多く、ポイントさえつかめれば繁殖は、それ程困難ではない。
これを最初に発見し、世界に紹介した松阪氏の話では、発見した川の上流で開発が進み、
環境が激変したために(開発が入る前は、透明度の高い清流が今や赤茶けた水)
最初の発見場所から姿を消したらしい。
日本のマニアの手で繁殖させ、アマゾンに帰せるぐらい繁殖できれば……夢あります。
現在までに判明した事実を書いておきます。
ベアタンクの90×45×45の水槽。上部濾過器と外部濾過器の2システム。陶器のパイプだの素焼きの植木鉢だのが沈んでいる。
パイプの中や植木鉢の中に潜むのは、 インペリアルゼブラプレコ。合計で7匹の成熟個体。
ここで幾つかの実験観察を行い、 繁殖データーを収集しているのダ。
与えるエサと排泄物の関係 (とにかく排泄物の量の多さにはウンザリする)などetc...
2.とにかく縄張り意識が激しく、狭い水槽だと個体同士が争い、傷つきます。
その傷が元で死亡する事も多く、出来るだけ大きな水槽と隠れ場所が必要です。
明るい場所、振動、大きな音は苦手の様子でそれらがあると隠れてしまう。
観賞魚には向いていないかも?!
3.水温に関しては結構柔軟性があり、23~32度ぐらいまでは対応しています。
現地では、早朝と昼過ぎでは、水温に変動があるとの話です。 水温変動には、強いが水質にはかなり敏感。
実験水槽の水質は、PH7.5~7.8と弱アルカリ水質です。
PHが低下して7を切るとエサを極端に取らなくなります。
換水は、2日に1度、約16リットル換水しています。
なにしろ大量のフンが出るもので掃除と換水を兼ねています。
換水する水は、PH7.1ですが、B-4を投入し、PHを上昇させています。
B-4は、エサのように食べています。 エサは、B-4以外に赤虫、コペポ-ダ-、タブスなどです。
こんな事を書いていたら、水棲菌に侵された(ワタ毛のようなもの)物質が水槽内を漂っているのを発見。
中心核の部分は、やや黄色味がかかっているひょっとして?
朝方、日課になってしまった換水とフン掃除。突然、動く物体発見!
サイズは7~8mmオタマジャクシのようだ。確認できた個体は4匹。繁殖したのだ!
この時の水温は、27度前後、PH7.6。
写真3~5それから72時間経過した個体の写真。
ゼブラ模様がちゃんとあります。集まってあまり動ない。一匹撮影のためにシャ-レ-に移動させる。
※ 東京・板橋のショップ、ネイチャ-クラブの渡辺店長は、何度もブリ-ディングに成功しており、
アドバイスをもらう。親から別の水槽に隔離した方が安全。エサは、ブラインシュリンプを与える。
この2点がポイントらしい。一匹のみ隔離。実験は継続。
ぱぴらぼ④
ぱぴらぼ 飼育&繁殖ガイド ホワイト グロ-ブ
◆スラウェシ シュリンプ = ホワイト グロ-ブ 飼育&繁殖ガイド
今まで比較的飼育が難しいと考えられていたスラウェシシュリンプの一種であるホワイトグロ-ブ、
簡単に飼育が出来て、しかも繁殖も容易な方法が判明しましたのでお知らせします。
これを機会是非、繁殖に挑戦して下さい。
ご用意いただくもの
1.写真の製品は、トリオさんで出している20センチキュ-ブ水槽のセット。
親切に外部濾過器から照明器、水温計からガラスの上蓋まで付いています。
2.他には、当社の底床材MS-13とお馴染みのバクテリアB-4。それに飼料のG-10の3点を購入してください。※MS-13は、現在、製造販売しておりません。
3.それと、繁殖→あっけなく増えました。稚エビが外部濾過器の吸入口に吸い込まれるとマズイのでスポンジフィルタ-写真はテトラ社のものを半分に切って外部濾過器の吸い込み口にセットします。
底床材のMS-13は、セットする前によく洗って下さい。※MS-13は、現在、製造販売しておりません。
飼育の準備
4.最初に水洗いしたMS-13を水槽に敷きます。この水槽サイズだと半分(500g)程度です。
5.いきなり水を注ぎ込むと砂が舞い上がります。
お薦めは、底床材の上にプチプチマットか新聞紙を上に敷いてゆっくり水をそそいでいきます。
6.水槽に水を入れてセットしたらB-4の液体は、全部入れて下さい。
7.外部の濾過器には、B-4の粉末をほんの少量パラパラと入れて下さい。
8.これで基本的なセットは完了です。濾過器のコンセントに入れ水を循環させます。
9.水槽には、セラミック(焼き物)かプラスチック製の流木のようなものがお薦めです。 本物の流木の場合PHが低下する場合があるので注意です。水草はウィロ-モスが便利です。
10.この水槽の状態は、水温が29度。PH7、3です。
換水は、10日に一度程度で、なんと!普通のコ-ヒ-カップ2杯程度。後は足し水で飼育しています。
換水した前後に稚エビが現われました。 24時間以内に最初の脱皮をするようです。
11.このエビの飼育のポイントは、水質です。 PHが6、5を下回ると明らかに不調になります。
それとエサです。 飼育にはG-10を5日から一週間に一度程度、
しかも(一振りしか与えていません)皆さんお話を聞くとエサの与えすぎで失敗しているような気がします。
それと、購入して飼育水槽に移す場合の水合わせが最初のポイント。
点滴の要領で少しづつ飼育水に慣らして下さい。いきなり水槽に入れると数時間でほぼ全滅する危険あり!
換水したり、足し水した後に濾過器にB-4をほんの少量追加しています。
バクテリアは、多く入れれば効果が増えるものではなく、水量と飼育密度によります。
この程度の飼育密度と水量であれば、B-4の60センチタイプで約半年は使えます。
B-4って少量で効果があるのがいいところなんですょ。
ちなみにビ-シュリンプもこのMS-13とB-4、G-10で十分繁殖しています。
MS-13は、取り扱っているショップが少ないのですが、銀座のパウパウさんに行けば入手可能です。
是非、繁殖に挑戦してみてください。※MS-13は、現在、製造販売しておりません。
今回から今までに一般のマニアの皆様からお問い合わせいただいた質問やご意見、御批判を含めて、私達の考えを明らかにする時期が来たと考えました。
私達の志、目的は、アクアリュ-ムホビ-を一つの文化にしたい。いつまでも外国の飼育方法の模倣ではなく、この国に住む私達の手で観賞魚飼育方法の一つの手法を確立させたい。だれでも簡単に魚の飼育を楽しみ、水草の水景を楽しみ、魚達の繁殖の喜びを知ってほしいそんなふうに考えたからです。
文化とは人間の生活様式とも規定できると考えます。多忙な一日を送り、水槽の前に佇み、一日の疲れを癒し、人工的ではあるにせよ自然に溶け込めるひとときは、確かな至福の時間なのです。観賞魚飼育は、確実に技術的に進歩しています。私達が初めて熱帯魚飼育を始めた30年以上前と比較すると飼育タンクも飼育器具も格段に進歩しています。しかし、飼育器具の発達と飼育技術の発達は必ずしも比例していません。
私達が考えるのは、模倣ではなく、海外からも模倣される飼育技術、それは、日本のアクアリストの飼育技術が世界トップレベルの評価を受けることなのです。
科学の発達とは、ライト兄弟の複葉機からスタ-トし、現在では世界の五大陸に一度に500人の人間を運ぶ事が可能であり、ワットの蒸気機関車から始まった鉄道輸送は、現在は高速鉄道となり、一度に1000人以上の人間が大都市を移動できる時代となりました。観賞魚飼育システムが、いつまでも経験認識から語られる時代を超え、近代科学としての、生物学や細菌学、薬学などの領域から解明される時代が到来していると確信するものです。仮説から真実を証明する手法としての実験科学は、重要な役割を演じます。
私達は、皆さんと共にこの新しい飼育技術の確立に取り組みたいと願うものです。
ご意見、御批判をお待ち致します。
アクアリューム基礎講座①
アクアリュ-ム基礎講座 ① 「生物濾過について」
Q 1 :生物濾過って何?
A 1:今回販売店の皆様や一般のマニアの人たちにも良く理解していただきたく生物濾過の知識のおさらいです。皆さんがご存じのように魚は、川、池、海に生存する生物です。その生き物を水槽の様に限られたスペ-スと一定量の水で飼育する訳ですから、本来の生息環境とはまったく異なります。
川や池には、雨も降るし、湧き水もあります。風が吹けば波も立ちます。常に新鮮な新しい水が供給されているのです。しかし、熱帯魚の故郷のブラジル、アマゾン河では、日本と異なり雨期と乾期にわかれます。雨期はほとんど毎日スコ-ルがあり熱帯雨林に新鮮な水が降り注ぎます。
逆に乾期はほとんど雨が降らない状況になります。新鮮な水の供給量が減って水温は上昇し、魚達は水の多い場所に移動します。魚の密度は高くなり水質も劣化してきます。しかし、河は流れていますから、その場所に水は少しづつでも供給されています。
そしてある日、東の風と共に雷鳴が聞こえ、バケツの水をひっくり返したような雨が降り注ぎます。乾期が終わり雨期が始まったのです。この時期一斉に魚達は産卵を開始します。水量が増えて魚達は一斉に散らばっていき、急速に魚の密度は低下します。
何故なら魚達の密度が高いと産卵した卵や孵化した稚魚は他の魚達の格好の餌となり、食べられてしまうからです。見事な自然の摂理です。この時の水質条件は、地域条件によりますが、ペ-ハ-が上昇して中性か弱アルカリ質に変化し、水温は低下します。これが産卵衝動の引き金になると考えられています。
大量の新しい水が流入するのですから魚達にとっても有害なアンモニアや亜硝酸は極めて低濃度になるのです。そして密林に降り注いだ雨は密林に蓄積された有機物や微量元素も同時に河に送り込んでくるのです。
Q 2 :どうしてアンモニアは魚に有害なのか?
A 2:魚を飼育している人達もアンモニアは有害な物質であることは理解しているのですが、ではどうして有害なのかについて理解している人は少ないようです。 簡単に説明すると、アンモニアは非常に小さな物質であり、水温が高くなるほど活発に動きます。逆に水温が低いと活動は低下します。
そして小さな物質ゆえに簡単に魚達のヒレや体を通り抜けていきます。この時に魚の血液の中のヘモグロピン、(酸素を体の細胞に送る役目をする)の活動を阻害するのです。そのために水の中には酸素がたくさん溶け込んでいるにもかかわらず、エラから酸素を取り入れても体の細胞に送り込めずに窒息状態となり、死んでしまうと考えられています。
Q 3 : アンモニアは、どうして発生するのか?
A 3: この魚を飼育していくうえで、厄介なアンモニアはどうして発生するのか? これはいくつかのバクテリアが関係します。魚の排泄物、剥がれた粘膜、食べ残したエサが原因なのですが、これを基にしてアンモニアがつくられます。
魚の排泄物、食べ残しのエサは、水槽飼育では必ず発生し、避けられない事態なのです。
自然界では、『絶対水量』が圧倒的量であり、排泄物も水流によって川下に流れていくためにそれほど問題となる濃度にはなりません。 しかし、水槽飼育では、限られた水量が濾過器を通過しながらグルグルと循環しているだけで、換水しない限り新しい水の補給はないのですから、アンモニアの処理は重要です。
Q 4 :アンモニア、その処理のメカニズム
A 4: 単純に考えるとアンモニア濃度が致死量に到達する前に換水すれば良いのですが、一々アンモニア濃度を測定して、その都度換水するのは現実的ではありませんし、何より換水は魚にとって負荷のかかることなのです。そのために化学的な処理方法としては活性炭で吸着させたり、イオン樹脂交換などの方法があります。
しかしこの方法は、根本的な処理ではなく、一時的にアンモニアを閉じこめる事であり、掃除機でゴミを集めているようなもので、掃除機の中が一杯になれば交換です。時間が経過すれば吸着力が低下し、吸着したものが逆に放出される危険もあります。活性炭の場合は飼育密度が濃いと短命です。
そのために現在の飼育システムでは、生物濾過が主流になっています。 生物濾過とは、バクテリア(細菌類)を利用してアンモニアを別の物質に変換したり、アンモニア自体を生成させなかったりする方法です。かなり複雑な経緯を辿っておこなわれる為に詳しい内容については割愛します。
一般的には、水槽をセットしてもその日に魚を水槽で泳がせないでエアーレーションしたり濾過器を動かして1週間程してから魚を水槽に入れて下さいと、指導しているお店も多くおられるのですが、これは経験論から出発していると思います。
水槽をセットしてエア-レ-ションすると空気中から細菌群が水槽に入って増殖していきます。この時にさまざまな細菌群と共に硝化細菌も入って来るのです。
硝化細菌の種は、空気中に普通に存在し、特別な細菌ではないのです。
Q 5:硝化細菌の働きと限界
A 5: 硝化細菌とは、簡単に説明するとアンモニアを亜硝酸に変化させ、亜硝酸を硝酸塩に誘導していく働きをもつバクテリアです。硝化細菌には好気と嫌気の2種類に大別されます。もともとこのバクテリアは、黒く汚濁した海水域や廃棄物処理場の水溜まりなどをポジションとして有害物質を無害化する働きをしています。
そして、嫌気のタイプはドブ川のメタンガスが発生しているようなヘドロの中をポジションとして、硝酸塩を窒素に還元するのです。ドブ川自体に溶存酸素が極めて少ないために魚などは住めない死の世界なのですが、このような場所を好む細菌も多いのです。
メタンガスを生成するメタン菌、人間に有害な破傷風菌なども、この死の世界の住民です。 好気タイプの硝化細菌は、アンモニアを亜硝酸に変えます。そのために水は酸性となり、頻繁な換水が必要となるのです。PHが低下していくと魚はエサを食べなくなり、水槽の片隅でじっとしていたり、ひどい場合は、目の白濁や尾ビレや背ビレが溶けたりします。
このような場合はPH数値を測定すると3~3、5の低い数値が検出される場合がほとんどです。そして多くのマニアはここで失敗を経験するのです。それは、あわてて換水をするために魚がペ-ハ-ショックをおこしてしまい、事態を悪化させてしまうのです。
ペ-ハ-ショックをおこさないようにするには、ペ-ハ-の数値の変動を2以内に抑える事がポイントです。そのような場合は、3分の1から3分の2程度を換水して24時間経過してから再度換水するのがペ-ハ-ショックを防止する方法です。
このように、硝化細菌は、毒性の強いアンモニアを亜硝酸に変換しますが、そのために水質は、酸性となり頻繁な換水が必要となります。その為に海水魚飼育のタンクでは硝化細菌による生物濾過には限界が発生します。
何故なら海水は弱アルカリ質です。ペ-ハ-の低下は無脊椎生物には致命的な影響が発生するからです。
Q 6:嫌気性細菌と好気性細菌
A 6: 硝化細菌の仲間にも好気性細菌と嫌気性細菌と2つのタイプが存在することは理解していただけたと思います。簡単に説明するとバクテリア=細菌は、知られているだけでも膨大な数なのですが、まだよく解っていない方が多いのです。
なぜなら、人の役に立っている細菌と人に害=病気を起こすものについての研究はかなり進んでいますが、それ以外の細菌については、未知の部分が圧倒的です。
しかし大雑把に分類すると、細菌は好気と嫌気に分類されます。好気細菌とは、文字どおり酸素のある場所でしか生きられない細菌です。
嫌気細菌とは、逆に酸素のある場所では生存ができず、空気に触れると死んでしまう細菌です。水の中でも酸素が溶け込んでいると嫌気細菌は生存できません。そのために嫌気タイプの硝化細菌を水槽内で繁殖させ、硝酸塩を分解させるのは、なかなか簡単な話ではありません。
手っ取りばやく換水する方法の方が合理的なように思えます。少しでも科学知識のあるアクアリストの皆さんであれば、嫌気バクテリアを好気バクテリアを同じ容器に入れたり(入っていると称する)何百種類ものバクテリアを同一の容器に入れ、しかも液体で常温保存する事など不可能(そんな事が可能ならノ-ベル賞は決まり!)簡単に判断できる事です。
川や池で水を浄化する事のできるバクテリアも、それは川や池の話であって水槽とはまるで条件が違いすぎます。川や池は底が堆積した土であり、下にガラスが敷いてある訳ではありません。水槽にソイルを敷いて同じ条件を再現するなら、少なくとも20㎝以上ソイルを敷き詰めなくては完全嫌気の実現は不可能でしょう。
だいたい水槽にソイルを20㎝も敷き詰めるアクアリストの皆さんなんていないと思います。この事を判りすく説明すると、プロ野球の選手をサッカ-のワ-ルドカップに代表として出場させるようなもので、野球は野球選手、サッカ-はサッカ-の選手なのです。活躍する場所がまったく違うのです。
Q 7:全ては水質にある!
A 7: アクアリュウムの現実の問題点とは何か? 具体的にはいくつかの現象が上げられます。 1.購入して家の水槽に移してもすぐに死んでしまう。もしくは病気の発生。
2.水槽のガラス面がすぐにコケだらけになる 3.水が濁る、クサイ臭いがする。
初心者の人達が飼育を始めてすぐにぶつかる問題点は、だいたい上記の3点に集約されると考えられます。 「1」についてはペ-ハ-ショックも一因と考えられ、この場合は、水合わせを理解してもらえれば解決します。病気が発生しやすいのは、環境の変化、購入したお店の水質より劣化した水質環境になった場合の発症が考えられます。
ここで重要な事実があります。それは、水槽の魚達は、毎日その水槽の水を体内に取り込む、水を飲んでいる事です。大腸菌や腐敗菌のウヨウヨしている水質の劣化した水を飲めば魚だって生物なのですから調子を崩すのは当然なのです。
そんな病原菌がどうして水槽に入ってくるのか疑問に思う人もいるでしょう。
簡単に証明できます。コップにミネラルウオ-タ-と牛乳を入れて、一日放置すると牛乳は品質劣化、腐ります。ミネラルウオ-タ-は腐りません。牛乳は栄養豊富ですから雑菌や病原菌、カビなどが、空気中から侵入し、その栄養分で繁殖するからです。限られた水量の水槽で魚を飼育するのは、水の富栄養価が進行することになるのです。
そして、水槽にエア-レ-ションなどで空気を送り込むのは、空気中に漂う雑菌を積極的に水槽に送り込む事と同じです。 水の富栄養価が、海水でおこると、赤潮の発生原因になります。実際のアクアリュ-ム水槽では、エサの過剰な投与で発生する残飼、魚を過密に飼育した場合の魚の排泄物などが主たる原因であり、生物濾過とは、バクテリアによる栄養分の分解ですから濾過システムが正常に作動していれば、牛乳状態をミネラルウオ-タ-に戻すことになるのです。
「2」「3」についても、飼育水の富栄養価状態が原因です。魚を飼育する諸問題は、全て水質に起因しているのです。そして水質は、濾過バクテリアの質と濾過器の水を循環させる能力、それに使用する濾材の質と複雑に関係してきます。
Q 8:B-4誕生
A 8: 私達も熱帯魚の飼育に関しては、30年以上の経験があります。当然1人のマニアとしてグッピ-から始まり、数多くの魚種を飼育し繁殖も成功させました。その飼育経験のなかから、簡単に確実に魚を飼育し、観賞を楽しみたいとの願いがありました。
そして社会経験を得て、生物学者、細菌学者、製薬研究者など、多くの協力者を得ることが出来ました。そして、彼らの善意の協力があって飼育水槽に最も適した生物濾過用のバクテリ【B-4】が考えだされました。そして長期実験がスタ-トしたのです。
最初は、スタッフ各自の水槽から実験はスタ-トしました。
驚くべき発見もありましたが、同時に克服すべき問題点も見つかりました。そして一歩づつ壁を乗り越え最終段階のテストが繰り返されました。そしてフィル-ドテストが始まりました。私達の会社から30分以内で訪問できるプロショップで、実際に販売用の魚が泳ぐ水槽でテストしました。
そして、徐々に遠方のプロショップに拡大して、それぞれ条件の異なる水槽でB-4を投入し、デ-タ-を集積しました。 実験に参加、協力していただいたプロショップの皆さんからは、「早く製品化してほしい」「これは、画期的です」「店でも使用するので早く商品化してください」「お客さんに早く使わせたい」などの多くの声をいただきました。
あるプロショップの店長さんは、実験中に水質テストで試薬の反応を確認したら、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩の有害物質の3種類とも反応ゼロのために、試薬が古いからじゃないですか?と言って、お店の売り物の新品の試薬で再度テスト、しかし結果は当然の反応ゼロで驚くよりも感動していました。(ちなみに広告に登場してもらったショップです)それからもテストは続行されました。それには理由がありました。
Q 9:本当にそれでいいのか?
A 9: 私達が実際のプロショップで長期間にテストを繰り返し、さまざまな飼育条件下でデ-タ-を集めたのは理由がありました。それは、従来の市販されているアクアリュ-ム用の生物濾過に使用するバクテリア製品は、使用量が水槽の大きさ(水量)により使用量が規定されていました。
しかし、現実的には、水槽が同じ大きさでも飼育している魚の種類も匹数も全員が同じとは、到底考えられません。皆さんそれぞれが違うはずです。ピラニアのような肉食魚もいればグッピ-やディスカスの飼育人もいる訳です。当然飼育している魚の大きさや匹数が違えば与えるエサの量も質も違うのは当然です。
B-4を世に出そうと考えていた私達には、これは本当に大きな壁でした。 私達は同じマニアとして、決してウソは言わない。必ず結果が出せるもの。絶対に安全なもの。この三つだけはどんな事があっても購入してもらったマニアにも販売してもらったショップの皆さんにも約束したいと、考えたからです。
そのため製品の取り扱い説明書は、使用量については、飼育している皆さんに決めてもらいます、と書くことにしました。分からなければ電話をくださいとも、広告に書きました。これは、私達が企業の理念として尊敬するドイツのエンデル社の製品、ネクトンの取り扱い説明書にならいました。そして問い合わせをいただくアクアリストの皆さんにも適切なアドバイスができるデ-タ-が集積されていったのです。
Q 10:B-4登場
A 10: B-4を製品化し、その実力をアクアリストの皆さんに問う日がきました。B-4にはいくつかの理念があります。 1.子供達が口にいれても100%安全なバクテリアである事。なぜなら人間が口に入れられないようなモノは決して水槽にも良い影響は与えないものです。
2.初心者でも経験者でも簡単に使用でき、だれでもが確実に効果が得られる事。 3.販売していただいたショップの方々、購入していただいた皆さんの質問に科学的な説明を正確にできる事。
4.その効果が眼で確認できる事。 以上の条件を全てクリア-できます。
「1」については、小動物からスタ-トしてかなりの量を最終的にはスタッフとその関係者で安全を確認しました。実際に製品販売後小さなお子さんが口に入れたけど大丈夫ですか?との問い合わせが2件ありましたが、全く問題ありませんでした。
この事は、発売前に御協力いただいた細菌学者の皆さんからも絶対安全の保障はいただいていましたので確信がありました。 B-4の効果は、ハッキリと眼で確認することができます。魚達の排泄物が完全に分解処理されるため、水槽に排泄物が残留しません。
外部濾過器のホ-スに汚れが付着しにくくなります。ガラス面のコケの付着量が激減します。照明量と時間が同じならB-4使用水槽のコケの付着が色も量も違うのが判断できます。水のニオイが全く無くなります。水に透明性が戻ります。この事について科学的に説明します。
Q 11:どうして排泄物は完全分解されるのか?
A 11: 魚の排泄物の成分は、タンパク質、繊維質、炭水化物でほとんどが構成されています。B-4のバクテリア群は、これをエサにして増殖していきます。どんどんと食べる訳です。そのために残留しないのです。同時にアンモニアを亜硝酸に変換しないで空気中に直接放出していきます。
亜硝酸も分解していきます。その為にペ-ハ-数値は低下しなくなります。硝酸塩についても一番の材料であるアンモニアが発生しなくなるので、どんどん減少していき、約3週間後には試薬反応が消えます。
Q 12:どうして水は透明性が高くなるのか?
A 12: この事は重要です。B-4バクテリアが増殖すると、こんどはB-4バクテリアをエサにする生物群が現れます。食物連鎖の始まりです。 この生物群は後生生物とか後生動物とか呼ばれる一群です。彼らは、B-4バクテリアも補食しますが、水槽中に多数いる大腸菌とかブドウ球菌なども補食し始めます。
そして食物連鎖は進行して行きます。. こんどは、バクテリアの中でも大きな鞭毛虫(べんもうちゅう)とか繊毛虫(せんもうちゅう)などを補食するグル-プが現れます。鞭毛虫には水を白濁させ臭いニオイを発生させるモナス菌、ディスカスのエラ病の原因になるキロドネラなどを食べてくれる生物です。
その結果雑菌は減少し、水は透明性が高くなり臭いニオイも無くなるのです。だから病気が出にくくなるのです。そして、この食物連鎖は進行していきます。最終的にはミジンコが水槽内で確認できるはずです。なぜなら微生物世界の頂点にいるのがミジンコなのです。
そして自然界では、このミジンコをエサにして魚の子供たちは成長するのです。 この自然界の生命の誕生と成長不可欠な食物連鎖サイクルがB-4を使用すれ事で、人工的に創られた水槽の中で、だれもが簡単に再現する事ができるのです。
Q 13:B-4、その能力を完全に引き出すために
A 13: 前にも述べましたが、生物濾過については、実に複雑な要素が絡み合ってきます。簡単に濾過システムと言っても幾つかの方法があります。しかし、基本は、共通です。
その水槽の水を一時間に何回濾過器に循環させられるかこれが基本です。私達の実験デ-タ-を基に推測すると、淡水の観賞魚水槽で1時間5回転以上、観賞用海水魚水槽では、6回転以上、料理店などの生け簀水槽では、8回転以上最低でも濾過器に循環させないと問題が生じると考えています。
しかし、濾過器の内部に使用する濾材の質にも大きく影響されてきます。 濾材は、簡単に表現すると、濾過バクテリアの高層マンションのようなものです。バクテリアは増殖すると集合し、バクテリアフィルムを形成するのが一般的ですが、水中を漂いながら定着場所を探すタイプもあります。そして、彼らは水槽と濾過器を循環しながら定着していくのです。B-4の能力を十分に引き出せる濾材についても入手できる限りの濾材をテストしました。結論から申しますと一番は、通水性能が高い事です。
Q 14:濾過材の適性
A 14: B-4を投上手に魚を飼育するポイントは、観賞魚飼育に適したバクテリアと、それにマッチした濾材を使用する事が重要なコツである事は理解していただいたと思います。濾材については、すでに3年以上実験を繰り返し行なっていますのである程度結論は出せると考えています。
1.「通水性能」 これは、濾材の中まで水が流れて、通過するかどうかです。 簡単にテストする方法は、乾燥した状態で手のひらに少量の水を乗せ、そこに濾材を置きます。3~5秒で水が中に吸い込まれれば第一段階はクリア-リング状の濾材であれば後の穴を指でふさぎ、口から空気を吹き込み、吸い込まれた水が吹き出せば通水性能は優秀です。水がポタポタ滴れたり空気が吹き込めないのは通水性に欠けます。
どうして通水性能が重視されるかについては、濾材表面だけにバクテリアを付着させるのではなく、内部にも付着させます。バクテリアコロニ-が形成されるのですが、表面の水量と内部の通過水量は当然異なります。
外部は早く、内部はゆっくりと流れます。当然バクテリアの付着量も異なりますが、短時間で処理ができます。むしろ、最大のメリットは通水性能が高い濾材は少量で済むためにメンテナンスが非常に楽になる事です。
この事は実験で簡単に立証できました。同程度の形状(リング状)の濾材、当然材質はことなるのですが、ドイツ製のガラス素材のものと、サイエンス・プロ、セラミック製で表面はデコボコで内側はツルツルの物表面も内側もツルツルのタイプを同一条件でテストしました。
アンモニア等の有害物質の反応が早く消えたのは、ドイツ製濾材とサイエンス・プロで差異はほとんど無し、次に表面デコボコタイプ、ツルツルのタイプの順番になりました。
※テスト方法 同じ大きさの90㎝水槽に同一メ-カ-の同一タイプの外部濾過器にセットされているスポンジ形状の濾材を2枚外し、テストする濾材各1リットルと表記されているものを入れディスカの同一日に産卵、成長した個体、約10㎝程度を各10匹投入しセットした日にB-4を正確に各1g投入する。
翌日も同数量のB-4投入。セットしたその日から1回に10クラムのハンバ-グを1日3回与え、アンモニア、亜硝酸濃度を測定しました。14日間4本の水槽を同時刻に採取し、同一の試薬を使用して残留濃度を測定しました。
2.「形状と材質」 濾材はその濾材に付着したバクテリアにより魚にとって有害な物質を無害化する事は理解していただけたと思います。当然その循環システムにより適した濾材が必要です。
底面濾過の場合は大磯砂を使用して濾過しますがエア-リフト式の為に循環スピ-ドが遅く、60㎝水槽までが無難です。ちなみに、ヘラのようなモノで毎日一度ジャリをさらうとバクテリアの付着面が替わり、付着量が殖えますから濾過能力は向上します。
60㎝水槽までなら飼育匹数にもよりますがメインとして使用するのは、エア-リフト式濾過器(投げ込み式、底面、スポンジ式)であれば、別の種類の組合せで複数使用(例 スポンジ式+投げ込み式)する方法がお薦めです。投げ込み式の場合は、フィルタ-の交換の頻度が上がるとランニングコストが上昇するのが難点ですが、管理は容易です。スポンジ式も使用が簡単でランニングコストも低く使い易い濾過器です。
最低2ヵ月に1度は、お湯で洗浄すると濾過能力が回復します。大磯砂を使用する底面濾過の場合は、換水する時にジャリも洗浄するホ-スを使うと便利です。ただ全換水はやめた方が無難です。この3点の濾過システムは、小型水槽には便利です。しかし、それ以上の大きな水槽では、補助システムと考えて下さい。大型水槽では、オバ-フロ-、外部濾過器、上部濾過器の3システムが現在のところ考えられています。
この場合は、必ず濾材が必要です。 形状としては、幾つかのデザインがありますが、リング状のタイプ、玉状コンペイトウのような形状、各デザインを実際にテストしました。リング状の濾材は、横から見ると樽のような形状で中に穴が空いています材質も各種ありますが、基本的にはセラミックが多いようです。
この1場合は、通水性能と強度が判定の一つの基準になります。 通水性能が良くても強度が弱いと耐久性能が低くなり、定期的に量を補充する事が必要です。逆に強度があっても通水性能が低い場合は、その分、量を増やす必要があります。そうすると濾過器の容量一杯に入れると今度は、メンテナンスに時間がかかります。
材質も重要です。赤土を焼いたような物から発泡コンクリ-ト、石灰質の土を素材に使用したもの、あるいはガラスを繊維状に加工しリング状にしたもの、特殊なセラミック素材のもの各種あります。結論から申し上げればサイエンス・プロが通水性と耐久性能では、一番で3年を経過しても崩れていません。
酸とアルカリにも耐久性があるようです。特にガラス質だと酸とアルカリには全く問題ないのですが、素材が土系の場合は、弱酸性が続くと形状の損壊が進むようです。いづれの材質の濾材も最低3ヵ月1度程度はお湯で洗浄して下さい。
くれぐれも水槽の水なんかで濾材の洗浄はしなで下さい。なぜなら、水槽の水には濾過バクテリアだけではなく雑菌も沢山いるのです。洗浄の意味がありません。濾材を洗浄したら入する事で良質な濾過細菌が圧倒的に増殖するのですから。
Q 15:濾過システムと濾材に関する結論
A 15: 濾過細菌と濾材との関係もある程度ご理解いただけたと思います。良質の濾過細菌を出来るだけ多く付着させられ、通水性能の高い濾材とB-4のような濾過バクテリアを使用すれば大切な魚達を上手に長く飼育でき、メンテナンスの手間もそれ程必要なくなるのです。
飼育コストを考えるとディスカスやアロワナのようなある程度(90㎝以上の水槽)の大きさの必要な水槽で飼育する魚は、最初から濾過システムに対する予算は少々予算をオ-バ-しても、2系統の濾過システムを設計するべきです。そして、濾材についても、価格で判断せずに質と耐久性能を判断基準にしてください。
魚にこだわりを持つなら飼育システムにもこだわって下さい。
Q 16:B-4の適正な使用方法とは?
A 16: ここまで読み進められた皆さんは、一つの疑問をお持ちになるかも知れません。それは、優秀な濾過器と濾材、B-4を使用すれば換水もしなくてOKなのですか?この問い合わせも多い質問です。結論から申し上げれば換水は必ず定期的にして下さい。何故なら、B-4は色素まで分解できません。
換水しないと、水が茶色くなります。これは魚のフンやエサの色素が水に溶け込むために発生してきます。そして、新しい水を水槽に入れる事で生物学的に考察すると新しい命が入ってくるからです。それは、ミネラルなどの微量元素の他にミジンコのタマゴなどが換水によって水槽にもたらされるのです。
B-4にはミジンコのタマゴが入っているのですか? との質問がありましたが、入っていません。ミジンコのタマゴなど販売しているのかどうか見当もつきません。ミジンコのタマゴについて説明しますと、ミジンコは水質が悪化すると赤い色素を持ち、殻の非常に硬いタマゴを産みだします。
この硬い殻に包まれた小さな命は、水が干上がっても生きています。そして風が吹くと砂ぼこりと共に巻き上げられ移動します。そして新しい場所に移動して、水質が発生に適していれば殻を脱ぎ捨て活動を開始するのです。
普通の水道水にも硬い殻の状態で見つけられますし、風の入る家で水槽の水質が発生に適していれば(自然に限りなく近い水質であれば)ミジンコは確認できます。
ミジンコは、私達の眼で確認できる大きさですが、水槽の中では、ミクロの闘いが微生物によって繰り広げられています。B-4がいかに優秀な濾過バクテリアであっても、水槽には毎日エアレ-ションによって空気中から多くのバクテリアが侵入し、そしてエサを与える人間の指先から確実に侵入してきます。
侵入したバクテリアの多くは無害な種類が多いのですが、中にはロクでもない種類も確実に侵入してきます。そして増殖します。定期的な換水は、これらの雑菌と共にB-4も排出する結果になりますが、その後にB-4を追加で投入する事で水槽の中は善玉バクテリアが圧倒的な支配力を持つことになります。
パラパラと水面の上から振りかけるだけで! 次に何故定期的な換水が重要な意味を持つのか?その事について私達の考えを明らかにします。換水する事で確実に魚に一つの刺激を与える事が出来ます。それは、人間に例えて申し上げれば、アナタが完全空調の快適な海辺のホテル(別に森の中のホテルでもいいよ!)に宿泊したとします。
その部屋は温度も湿度も快適に調整されていても、窓を開けて自然の外の空気を入れることで、アナタはきっと爽快な気分になれるはずです。常に一定の温度で管理された水槽に1~2度異なる新しい水が入ってくる事で魚達は刺激を受け、それが発色衝動や産卵衝動の引き金になると考えるからです。
前にも書いたように熱帯アマゾンの雨期と乾期は、まるで水温も水質も異なり、その変化の境目が魚達の繁殖行動に関係している事を認識してください。
アクアリューム基礎講座②
アクアリュ-ム基礎講座 ② クリスタルレッドビーシュリンプ飼育講座
このコ-ナ-は、実際にB-4を使用して飼育したらどうなるか?検証する、実験するコ-ナ-です。今回は、一般のマニアの皆さんから最近お問い合わせ急増のクリスタル・レッドシュリンプを取り上げます。この小さな宝石のようなエビは、幾つかの飼育ポイントがあります。
Q 1:飼育の際の注意点
A 1:自分の飼育水槽に移す前に確実に水合わせと、水温を合わせる事、点滴の要領で水合わせをすると完璧です。繁殖を狙うなら最低10匹は、購入するべきです。
Q 2:水槽サイズと濾過システム
A 2:水槽のサイズは、大きければ大きいほど、水質、水温とも安定するので90㎝サイズがお薦めです。 濾過システムは、基本的に2系統用意して下さい。
外部濾過器と上部濾過器を使用する場合は、吸い込み部分にスポンジフィルタ-を必ず装着して下さい。幼エビが吸い込まれてしまいます。もう一つの濾過システムは、スポンジフィルタ-が最適です。
Q 3:水槽形態と水槽の中に入れるもの
A 3:ベアタンクがお薦めです。ベアタンクとは、水槽の底になにも敷かないでそのまんまの水槽形態です。それじゃ~味気ないョとお考えなら、小型のキュ-ブ水槽の中に砂を敷いて、水草を植込で下さい。そして、必ず流木を入れてください。南米ウィロ-モスが巻き付けてあるものが最適ですが、流木だけのもの、アヌビアス・ナナ
(写真参照)が植え込んであるものなどお好みで。
Q 4:水質と水温
A 4:当社の実験水槽で実験しました。下限温度は、水温15度、上限温度30度が危険水温域のようですね。これ以下かこれ以上の水温域ですと脱皮不全が多発する前にクルクル回って死んじゃいます。
ベスト水温域は、25~26度です。水質については、ペ-ハ-7~7.5程度が繁殖、成長率が安定します。弱アルカリ水質で何の問題点もありませんでした。弱酸性を好むとかの話の根拠はなんですかね?むしろ実験水槽では、ペ-ハ-6を下回ると脱皮不全が増加します。B-4使用しているとペ-ハ-が弱アルカリ質で安定しますから結果良好です。
Q 5:エサについて
A 5:某雑誌には、イトメとか冷凍アカムシを与えると成長が早いと書いてました。早速、ホンマカイナと実験しましたが、私達が与えている人口飼料(タブス)と大差ありませんでした。確実に成長が早くなった飼料はありませんでした。
むしろある程度成長した個体は、人口飼料でもアカムシでも食べてくれますが、親から離脱した幼生個体の食べているものの方が謎でした。手間の係らない人口飼料で十分です。特にシュリンプをアクセサリ-的に水槽で他の魚と飼育するのであれば、特別に与える必要はないと考えます。
Q 6:幼体の生態
A 6:このエビは、アメリカザリガニと産卵形態が似ています。メスの尻尾の部分に卵を抱えます。最初は黄色味のかかった色がだんだん黒く成熟してきます。孵化した幼体は、しばらく母親の尻尾にとどまり、ある程度動けるようになると離れていきます。そして、流木の亀裂や穴、柔らかい水草の奥に身を隠します。
この時にエサは何を食べているのか?体長1㎜前後の幼体を顕微鏡で確認すると、輪虫類の「リカネ」「コルレラ」、有殻アメ-バ-の「セントロピキシス」などの微生物が確認できました。これは予測通りでした。私達の実験水槽では、換水を定期的に行い、B-4をそのとき少量投入しています。
当然水槽内では、食物連鎖が、進行します。その結果としてミジンコが発生し、親エビが補食しているのを確認していますから、その生物濾過の副産物である微生物を幼体が補食し、成長するのが確認できました。恐らく、流木に付着したB-4バクテリア群を補食する輪虫や有殻アメ-バ-(タニシの祖先だよ)を幼体はエサに成長し、ある程度の大きさに成長すると、出てきて他のエサも食べだすと考えられます。幼体の消化器官から確認できたものは、流木のものと思われる繊維質も確認でき、流木も親エビと同じようにかじっているんですね。
Q 7:換水サイクル
A 7:エビ(甲殻類)は、温度と水質には非常にデリケ-トです。温度管理は、夏場が水温上昇で厄介です。上手にコントロ-ルしないと一日で全滅もありえます。この小さなエビ達は、多量のフンをします。白い洗面器に5~6匹入れて観察するといかに凄まじくウンコをするか理解できます。
このウンコが難儀なんですな~ ウンコを多量に出されると当然アンモニア濃度が急上昇します。アンモニアは水温が上昇すると活性しますから、エビはコロリと死にますね。こんな悲劇を防止するには、濾過システムを増設するか、換水を頻繁にするか、B-4をパラパラとエサがわりに入れるか、どれかしかありませんね。ちなみにパピエの実験水槽を公開すると以下の状況です。
水槽サイズ90㎝×45㎝×45㎝濾過システムA社製外部濾過器(内部のスポンジ2枚抜いて濾材は、別にサイエンスプロを2リットルを入れている。)吸い込み部分にスポンジフィルタ-装着収容数クリスタルレッドシュリンプ他、推定400~500匹換水サイクル定期的、1週間から2週間に1度約8リットル~10リットル流木を3個入れてあるため、水が流木により茶色ぽくなる。
色が濃くなりだすと交換。(実験水槽が複数の為)B-4は、毎日エサみたいに1回に約0、2~0、3グラム入れている水槽もあります。その他は換水毎に約0、5グラム
60㎝水槽でエビの収容数が50匹以下なら1週間に1度程度約10リットル換水して、B-4パラパラと振りかければ大丈夫です。
新発見あったら連絡まってます。次回はエビと水草の関係について報告します。
B-4使えばこんなに増えるぞ! クリスタル・レッドシュリンプ編Ⅱ
<< エビと水草の関係について考える >>
クリスタル・レッドシュリンプ飼育実験報告このⅠ号タンクの実験目的は、繁殖スピ-ドと体色遺伝の実証実験であるが、具体的には、メ-ル、電話での質問項目の多い下記の疑問の解明である。
Ⅰ号実験タンクでのレッドシュリンプ繁殖、体色遺伝実験。
<< 飼育環境 >>
■ 設定条件水温 24度±1度 水槽サイズ 90×45×45濾過システム エ-ハイム社 エコフィルタ-タイプ2235 1基中のスポンジフィルタ-を2個取出し、サイエンス・プロ1リットルサンドイッチ状に投入。吸水部分にスポンジフィルタ-装着
■ 水槽内容流木にアヌビアス・ナナを活着させたもの1点南米ウィロ-モスを活着させたもの3点合計4点の流木基本的に底床無し!観察が容易な為と別の目的があるため、
直径15㎝のガラス製灰皿に川砂を敷き沈めてある。
■ メンテナンス換水は1週間に1度、約12~14リットル換水する。最初に約6リットル水を抜き、抜いた水量分を水槽に給水する。もう一度同じ事をする。一度に約12リットル換水せずに2度に
分けて換水する。カルキ抜きにアクアボン規定量投入。 換水終了後B-4約0、2グラム程度を水面から投入。 10日に一度アクアバイタル規定量の2倍投入する。
<< よくある質問・回答 >>
Q 1:稚エビは何を補食しているのか?
A 1:これは、生まれて泳ぎだした稚エビの尻尾の部分、人間では腸に相当する器官と、腹部の胃に相当する器官を解剖して、顕微鏡で観察、解明しました。写真が掲載出来ないのは残念ですが、(光学カメラなら写せるけどデジカメ対応不可なもので、近々接写可能なデジカメ購入予定、)解剖キットのピンを使いガラス板の上で分離、拡大して観察すると、原生生物と植物プランクトンが確認できました。
これは、推測ですが流木や水槽のガラス面に付着したバクテリアコロニ-に発生する微生物を補食しているのだと思います。実験水槽群でB-4を使用しているグル-プでは、明らかにメスの抱卵数(個体ではなく一匹当りが抱える卵の数)が増加しているのが目視で確認できます。これは、関連があると考えられます。エサが豊富な環境で飼育すれば当然、生物は繁栄していくからです。
恐らくB-4を投入することで水槽の中で食物連鎖、B-4→B-4バクテリアを補食する一次原生生物の増加→それを補食して増殖する二次原生生物の増加→二次原生生物を補食して増殖する三次生物の増加、大別すると三次生物群はミジンコなどが含まれるのですが、このような自然界で発生する食物連鎖が水槽内でも発生しているのだと考えられます。つまり繁殖しやすい環境なのです。
別の実験水槽では、ソイル、大磯砂を底床に使用して実験していますが、成長スピ-ドと増殖スピ-ドに明らかに差異が発生しています。底床を使用している実験水槽群ではベアタンクと比べて成長も増殖も早いのですが、これは、このエビを観察すると常に前脚を動かして補食行動をしています。
これは、ソイルや大磯砂に付着している微生物を補食している事が今回の解剖結果で証明できました。植物プランクトンに関しては水草に付着していたものと考える方が整合性があります。ちなみに親エビはミジンコを補食しているのが観察できました。
Q 2:死亡率を低減させるには?
A 2:これは、全ての水棲生物に当てはまるのですが、やはり水質です。基本的に水質の劣化は致命的です。このエビを別の容器に移し、アンモニア濃度の高い飼育水をゆっくりと添加していくと徐々に活動が鈍くなり横たわります。いきなりアンモニア、亜硝酸濃度の濃い飼育水に入れるとクルクルと回って死んでしまいます。
甲殻類はアンモニア濃度には敏感です。この小型の甲殻類は、常に補食行動し、その分排泄をしていますから水質の劣化スピ-ドは想像以上に早いのです。それ故キチットした生物濾過システムは必要です。実験水槽は全てエ-ハイム社の外部濾過器を使用しています。
理由は水槽の飼育水の循環スピ-ドが早い事、まったく無音である事、メンテナンスが簡単な事が理由です。この外部濾過器に濾材はサイエンス・プロを1リットル入れてあるだけです。実験水槽Ⅰ号は、なんと一年以上メンテナンスしていません。水質試験をしてもまったく問題ない水質が維持できているからです。
どの時点で限界がくるかテスト中です。 テトラ社のアクアバイタルも確実に効果があるようです。少なくとも脱皮不全で死亡する個体は激減します。これは恐らくビタミンB群に起因すると考えられます。
ビタミンB群は粘膜代謝に関係するビタミンだからです。
話は代わりますが、魚を飼育していて水あわせ、換水でペ-ハ-値が2以上変動するとペ-ハ-ショックを起こしますが、アクアバイタル、もしくはアクアセ-フを規定量の2~3倍投入すると復活する事があります。ペ-ハ-ショックはそのまま放置すると死ぬ場合が多いので覚えておくと便利です。
水質の維持には換水時にB-4当然入れてます。バクテリアが放出された後の担体物質を補食しています。後はエサなんですが、実験水槽では各種のエサを与えて実験しています。基本は、ビタ-クラフト社のタブスです。元々はプレコやコリドラスのエサなんですが、投入後しばらくすると崩れてそれにエビが群がって食べてます。
Q 3:水質と体色の関係
A 3:これは、確実に関係しています。今までの実験で、最初は鮮やかな赤と白のコントラストの個体が成長するほどにコントラストが鮮明ではなくなってくる個体が多いのです。遺伝的な要因かどうかは引き続き実験中ですが、一般に弱酸性水質では色鮮やかな個体が輩出する傾向です。
ソイルを底床とし、ナチュレピ-トをリシアスト-ンに括り付けて沈めてある実験水槽Ⅲ号はペ-ハ-値6、5なのですが体色の後退が少ないようです。ただし、水質が弱酸性のグル-プは弱アリカリの水質グル-プに比較すると繁殖スピ-ドと生存率はやや低い傾向が見られます。ペ-ハ-値の下限ですが5以下になると危険水質に突入したと考えて差し支えありません。これについては引き続き実験していきます。
Q 4:繁殖率の向上条件
A 4:このエビを飼育している皆さんで観察力の鋭い人は共食いに気付くはずです。特に脱皮直後のソフトシェル状態の個体が犠牲になる確立が高いのです。これは、飼育密度に比例します。多くのブリ-ダ-が飼育密度がある一定の割合に到達すると猛烈な共食い現象により2~3日で半減すると証言しています。これについては実験中ですから、軽々とコメントできないのですが。エサ不足だけでは説明できない現象です。
密度があるラインを越えるとストレス反応が発生するのかもしれません。しかし、抱卵している卵の数と稚エビの数は必ずしも一致しません。恐らく孵化してしばらくは母エビのお腹にぶら下っていた稚エビが独立したとたんに他のエビに補食されていると考える方が合理的です。
それを防止するには、なるべく多くの稚エビの隠れ場所をつくる事です。流木に南米ウィロ-モスを活着させたものやウオ-タ-スプライトなどの水上葉の水草を投入する事でかなり有効です。流木を幾つか入れておくだけでも差が出ました。当然実験水槽ではB-4を使用して、食物連鎖を発生させています。魚と同居させるなら小型のカラシン類がお薦めです。
グリ-ンネオン、ディ-プレッドホタルなどの成長しても3㎝未満の魚は補食できません。でも水草と流木は必須アイテムです。ディスカスやエンゼルフィッシュはエビが大好物です。中型のコリドラスも補食するのを確認していますからヤメた方が無難です。
リクガメ飼育ガイド
ネクトンの販売をスタ-トさせてから、多くのリクガメを飼育している方々からメ-ル、電話をいただきます。販売する側の責任として当然リクガメを飼育して、使用し、さまざまなデ-タ-を収集しています。
基本的な使用方法をその都度説明をするのですが、文字や会話では微妙なニュアンスが伝わりにくく今回ホ-ムペ-ジで私達流の飼育方法を公開します。今回は、質問で一番多いリクガメの《温浴の仕方》です。
♦用意するもの
浴槽替わりになる容器
(ガイドでは収納コンテナBOXを使用)
湯たんぽ用の容器(ガラスもしくは陶器のもの)
水温計
ネクトン(ガイドではネクトンREP・ネクトンMSAを使用)
布巾 (温浴後、リクガメを拭くため)
♦温浴の準備
・リクガメを温浴させる容器ですが、私達は、ホ-ムセンタ-で収納コンテナBOXの小型を購入して使用しています。¥200~300で手頃です。出来れば(下写真のような)半透明なタイプが観察しやすくオススメです。
・この容器に3分の1程度温水を入れます。水温は約40度前後します。
・カメを入れると急激に水温低下が起こりますから、ガラスもしくは陶器の容器(不安定なものはダメ!)に80度前後の熱湯を入れてユタンポをセットします。こうすれば水温の低下は防止できます。くれぐれも樹脂の容器は使用しないでください。
・水温をチェックして下さい。熱帯魚用のデジタル水温計が便利です。
・水温が40度ある事を確認したらネクトンREP、ネクトンMSAを一振り、二振りして下さい。少し手でお湯をかき回して下さい。ビタミンの香がするはずです。ネクトンMSAはかなりの部分がお湯に溶けますが、全て完全には溶ません。しかし、それで十分です。これで基本的なビタミンとカルシウム溶液の準備が出来ました。
現在私達のスタッフでカゼ気味の人がいるため、ネクトンEも使用しています。気温が低下しても粘膜強化の為と繁殖行動の影響を調べるため使用しています。
室温が必ず23度以上あることも確認して下さい。冷えきった部屋では飼育ゲ-ジから出すのは止めたほうが無難です。急激な体温低下はロクな結果になりません。
♦温浴時の注意事項他
この状態で約30分程度温浴させます。カメは最初にビタミンやカルシウムの溶け込んだ温水を体内に取り入れ、その後排泄行為が行なわれます。ウンチやオシッコをします。従って同じような容器を2セット容易して排泄が終わった個体を移動させるのが理想です。
温浴が終了したらカメのカラダを布巾できれいに拭き取ります。このままゲ-ジに戻すと気化熱で体温低下の危険があるからです。ゲ-ジにこの時にエサをセットしておきます。ウチのカメは、冷やしたトマトが大好きです。やっぱ風呂上がりには冷やしトマトなんですかネ~
ミカンやバナナ、チンゲン菜、モロヘイヤを与えています。人口飼料は与えていません。人口飼料を与える場合は、青汁や無塩のトマトジュ-スでよく練ってから与えてネ。人口飼料をそのまんま与えている人もいるらしいけど、それってカメ殺す気ですか?これから冬に向かいますから野草は春までお預け、当分は野菜で我慢して春には、クロ-バ-やタンポポにチェンジしてね。