NEKTON(爬虫類編)

カメレオン、クビワトカゲなどのトカゲ類飼育では、一度は飼育者が経験する問題は、脱皮不全です。ご存知ののように脱皮は成長には不可避な行為です。これが上手くいかないと成長不良、最悪死亡です。脱皮出来る環境が必要な事も当然あります。ゲージ飼育でカメレオンを飼育していると、気難しい個体では餌の選り好みも激しく昆虫食だけに調子を崩す事もままあります。

タッパーにコオロギやワームを入れてネクトンレップを振りかけて蓋をして全身にまぶして与える方法もありますが、お勧めは水溶液にして顔にスプレーすると舐め取ります。以前に飼育していたエボシカメレオンが調子を崩して拒食になり体色もくすんだ時にネクトンレップを水に溶かして顔にスプレーしたら直ぐに舐め取り、そのほんの数秒で鮮やかな体色になったのには驚きました。その後に餌にトンボを与えると回復した経験があります。フトアゴトカゲ、クビワトカゲのカルシウム不足から発症したクル病、フトアゴは歩行障害、クビワトカゲは首がフニャフニャになった個体にネクトンレップとネクトンMSAの両方を水に溶かして1日に数回顔にスプレーして吸収させると数日で回復しました。トカゲ類は昆虫食性で昆虫は植物から微量元素を吸収して、捕食される事で捕食個体に微量元素を供給しているのが自然の摂理です。しかしながら一年を通して自然界の昆虫を捕まえて与えるは冬がある日本では不可能です。その為にネクトンレップの常時使用がお勧めです。

コーンスネークも調子を崩す原因は与える餌よりも飼育環境の水の補給に問題があるようです。飼育経験から脱水状態で調子を崩すと強制的にカテーテルを入れて、ネクトンを溶かした水を注射器を使ってゆっくり体内に給水すると数時間で回復するケースが有ります。毒蛇には厳しい方法(そもそもハブやマムシは飼育に向いていない)ですが試してみる価値はあります。

蛇類で脱皮不全になるケースは最初の口元の皮膚を剥がす為の道具がない事、鋭いエッジのある石などをゲージに入れておくと解決するようです。飼育ゲージに入れておくのは生体に負荷を与えます。それだけでストレスの原因にもなります。これらを考慮すると爬虫類飼育にもネクトンは手放せません。